上気道感染症について詳しく知りたい板橋区赤塚新町・近隣練馬区の皆さまへ
上気道感染症は、鼻や喉に感染が起こる疾患の総称です。風邪、インフルエンザ、新型コロナ感染症などが含まれ、多くの場合は軽症ですが、高齢者や基礎疾患をお持ちの方では重症化するリスクが高まるため、注意が必要です。
また症例により漢方治療を行います。
光が丘クリニックでは、上気道感染症に対して迅速な診断と適切な治療を行い、皆さまの健康をしっかりとサポートいたします。

上気道感染症の種類と特徴
病名 | 主な症状 | 原因 | 流行時期 |
---|---|---|---|
風邪 | 鼻水、喉の痛み、くしゃみ、軽い発熱 | ライノウイルス、コロナウイルス | 一年中(特に冬) |
インフルエンザ | 高熱、関節痛、倦怠感、咳 | インフルエンザウイルス | 冬季(11月〜3月) |
咽頭炎 | 喉の痛み、発熱、飲み込みづらい | 溶連菌、ウイルス | 一年中 |
副鼻腔炎 | 鼻づまり、頭痛、鼻水 | 細菌(細菌性副鼻腔炎) | 冬季 |
RSウイルス感染症 | 発熱、咳、喘鳴(乳幼児に多い) | RSウイルス | 冬季 |
新型コロナ | 発熱、咳、喉の痛み、嗅覚・味覚異常 | SARS-CoV-2ウイルス | 一年中(特に冬季) |
上記のような症状が長引く場合、他の疾患(咳喘息・感染後咳嗽・気管支喘息など)が関与することもあります。当院では、こうしたケースにも丁寧に対応しています。
診断方法
上気道感染症は、症状や必要な検査に基づき診断されます。
- 問診と視診: 症状の経過を聞き取り、鼻や喉の状態を確認します。
- 迅速抗原検査: インフルエンザや新型コロナ感染症を速やかに診断します。
- PCR検査: 新型コロナ感染症に対する高感度な検査です。
- 血液検査: 感染や炎症の程度を把握します。
治療方法
当院では、症状や体質、疾患の進行度に応じて、西洋薬と漢方薬を組み合わせた治療を行っています。
西洋薬による治療
風邪の治療薬
- 解熱鎮痛薬(例:カロナール)
発熱やのどの痛み、頭痛などの症状を和らげます。 - 鎮咳去痰薬(例:メジコン、ムコダイン)
咳を抑え、痰の排出を促します。
インフルエンザの治療薬
- 抗ウイルス薬(例:タミフル、リレンザ、イナビル)
発症初期に服用することで、ウイルスの増殖を抑制します。
新型コロナウイルス感染症の治療薬(内服薬)
当院では、重症化リスクや持病の有無などを考慮し、以下の薬を処方する場合があります。
※いずれも医師の診察・判断のもとで処方され、市販はされていません。
- パキロビッド(ニルマトレルビル/リトナビル)
ウイルスの増殖を抑える薬。重症化リスクの高い方に有効ですが、併用できない薬が多いため注意が必要です。 - ラゲブリオ(モルヌピラビル)
ウイルスの遺伝情報を破壊し、増殖を抑えます。高齢者にも使いやすい比較的安全な薬です。 - ゾコーバ(エンシトレルビル)
日本で開発された新薬で、ウイルスの酵素を阻害します。有効性に不明な点もありますが、併用禁忌が少なく薬価も安いため、処方が広がっています。
漢方薬による治療
漢方は、患者様の体質や風邪の進行段階に応じて処方を選びます。当院では以下のような漢方薬を用意しています。
A. 風邪の初期に用いる漢方薬
- 麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)
高齢者や体力が低下している方の、悪寒・微熱・倦怠感・手足の冷えに。 - 麻黄湯(まおうとう)
悪寒、発熱、咳、筋肉痛に。インフルエンザ初期にも使用されます。 - 葛根湯(かっこんとう)
発汗がなく、肩こりを伴う風邪の初期に。 - 桂枝湯(けいしとう)
自然発汗がある体力のない方の微熱や寒気に。 - 香蘇散(こうそさん)
胃腸虚弱で神経質な方に。腹痛や吐き気を伴う風邪に。 - 小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
透明で泡状の痰・鼻水・くしゃみを伴う風邪やアレルギー性鼻炎に。
B. 風邪が進行したときの漢方薬
麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)
強い咳、気管支炎、喘息傾向のある方に。
柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)
発熱、関節痛、食欲不振、長引く風邪に。
柴朴湯(さいぼくとう)
喉の違和感、湿った痰、喘鳴を伴う咳に。
麦門冬湯(ばくもんどうとう)
乾いた咳、喉のイガイガ、痰が少ない咳に。
長引く咳について
咳や痰が続く場合、上気道感染症だけでなく以下のような疾患が隠れていることがあります。
・気管支喘息(喘鳴・咳が長引く)
・咳喘息(痰が少ない乾いた咳が続く)
・感染後咳嗽(風邪の治りかけから3〜8週間ほど続く咳)
これらは一見「風邪の延長」と考えられがちですが、治療法が異なるため注意が必要です。
当院では、こうした咳の症状にも対応しておりますので、お気軽にご相談ください。
発熱外来のご案内
当院では感染対策を徹底した発熱外来を設置しています。予約制・専用エリアにて安心してご受診いただけます。詳細は発熱外来のページへ
よくある質問(FAQ)
Q1. 上気道感染症のとき、すぐに受診すべき症状はありますか?
→ はい。高熱が続く、息苦しさ、意識の混濁、激しい咳、食事や水分がとれないなどの症状がある場合は、速やかに医療機関を受診してください。
Q2. 上気道感染症に漢方薬は効果がありますか?
→ はい。症状や体質に合わせて漢方薬を使用することで、回復を早めたり体力の消耗を抑えることが期待できます。当院では状態に応じて適切に処方しています。
Q3. 発熱がある場合はどうすればよいですか?
→ まずは電話でご連絡の上、必ずマスクを着用してご来院ください。当院の発熱外来では、専用スペースでの診療や抗原検査・PCR検査を実施しています。
Q4. 咳が長引いていても、風邪の一種でしょうか?
→ 風邪の症状が治ったあとも咳だけが続く場合、咳喘息や感染後咳嗽、気管支喘息などの病態が関係していることがあります。当院ではこれらの診断と治療にも対応していますので、咳が長引く際はご相談ください。
Q5. 上気道感染症とインフルエンザの違いはありますか?
→ インフルエンザは上気道感染症の一種ですが、突然の高熱や関節痛、倦怠感など、症状が強く現れやすい点が特徴です。ウイルスの種類や治療方針も異なるため、医療機関での迅速な診断が重要です。