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高脂血症|内科|循環器科専門医|板橋区|練馬区|光が丘クリニック

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一般内科:高脂血症(脂質異常症)の解説 (詳細)

高脂血症の目次

  1. 高脂血症の概念
  2. 脂質の分類と役割
  3. 高脂血症の定義
  4. 高脂血症と予後の関連
  5. 高脂血症の治療目標
  6. 高脂血症の食事療法
  7. 高脂血症の薬物療法
  8. 高脂血症のお勧めサイト

1) 高脂血症の概念

 高脂血症とは、血液中の脂質であるコレステロールや中性脂肪(トリグリセライド)が多過ぎ病気のことです。高脂血症を放置し動脈硬化が進んでも症状がほとんどない"沈黙の病気”です。やがて動脈内腔が狭くなり、血栓が形成されて脳梗塞、狭心症、心筋梗塞などの重篤な血管合併症がおこる。
 動脈硬化性疾患予防ガイドライン2007年版では、「高脂血症」という記載では重要な脂質異常である低HDLコレステロール血症を含む表現として適切ではないため、「脂質異常症」に記載が変更されましたが、本HPでは従来よく使われてる「高脂血症」で記載する。

2) 脂質の分類と役割


 血液中の脂質(脂肪)には(1)コレステロール、(2)リン脂質、(3)中性脂肪(トリグリセライド)、(4)遊離脂肪酸の4種類があります。血液と脂質は「水と油」と言われ、そのままでは脂質は溶けないので、アルブミンやリポ蛋白(比重により5種類に分類される)という容器に同梱されて全身を循環する.
 肝臓で生成された脂肪を含むリポ蛋白が組織に運搬されて利用される過程で「低比重リポ蛋白(LDL) 」となる。細胞への取り込み障害や肝臓でのコレステロール産生過剰で血液中に LDLコレステロールが多く残り、高コレステロール血症となる。このLDLコレステロールが血管壁に進入すると動脈硬化の元となるので悪玉コレステロールと呼ばれている。
 一方、体内の利用されない脂質を回収する「高比重リポ蛋白(HDL)」コレステロールは動脈硬化を予防する作用があり、善玉コレステロールと呼ばれている。
 さらに、(1)コレステロール、(2)リン脂質は細胞膜や、ホルモン,胆汁の構成成分として必要であり、(3)中性脂肪、(4)遊離脂肪酸はエネルギー源として利用される。

3) 高脂血症(脂質異常)の定義 (表で示す)

高コレステロール血症 総コレステロール値 220mg/dl以上またはLDLコレステロール値 140mg/dl以上
高中性脂肪血症 トリグリセライド値 150mg/dl以
低HDLコレステロール血症 HDLコレステロール値 40mg/dl未満

4) 高脂血症と予後の関連

 欧米の大規模臨床試験では、高脂血症治療により、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患の発生予防(一次予防)や狭心症や心筋梗塞の人の再発予防(二次予防)が可能が否かが研究されてきた。これらの研究から、スタチン系の高脂血症治療薬の服用により悪玉LDLコレステロールが低下すると、発生予防が2〜3倍あるとされ、特に再発効果が顕著である。
 米国のフィブラート系の薬剤を用いた研究(VA-HIT)では、悪玉LDLコレステロールが低下しなくても、トリグリセライドの減少と、善玉のHDLコレステロールの上昇により、心筋梗塞などの冠動脈事故(22%)や脳梗塞(27%)が減少すると報告くしている。
 日本での成績では、トリグリセライドが上昇すると狭心症などの虚血性心疾患の発生が激増する。トリグリセライド100mg/dlのときの危険度を1とした場合、250mg/dlまで上昇すると日本では5倍、アメリカに1.7倍に比べて遥かに危険である。

5) 高脂血症の治療目標

 リスク別高脂血症の治療目標値:1)まず悪玉コレステロールであるLDL-Cを評価し、各人の危険因子の数により、4つのカテゴリに分類する。2)それぞれの分類に従って治療の目標値を設定する。
リスク別高脂血症の治療目
治療方針   カテゴリー  脂質管理目標
(mg/dl)
因子 LDL
-C
HDL
-C
TG
一次予防 I 0 160
未満
40

150
未満
II 1

2
140
未満
III 3
以上
120
未満
二次予防 冠動脈
疾患の
既往
100
未満
※因子:LDL-C以外の主要危険因子
※I:低リスク群 U:中リスク群 V:高リスク群
※一次予防:まず生活習慣の改善を行った後、薬物治療の適応を考慮
※二次予防:生活習慣の改善とともに薬物治療を考慮
※冠動脈疾患:心筋梗塞、狭心症の既往

日本動脈硬化学会「動脈硬化疾患予防ガイドライン2007年版」より、一部改変
危険因子:(1)加齢(男性45歳以上;女性55歳以上); (2)高血圧;(3)糖尿病(”予備軍”である耐糖能障害を含む);(4)喫煙);(5)家族に冠動脈疾患(心筋梗塞、狭心症)になった人がいる;(6)低HDL-コレステロール血症(<40mg/dl)糖尿病、脳梗塞、閉塞性動脈硬化症があれば、カテゴリーIII(高リスク群)になります。

6) 高脂血症の食事療法

食事療法が基本
  • 高脂血症の原因に遺伝も関係するが、8割以上は食べすぎ、高脂肪食、運動不足がどの生活習慣、肥満などが関与している。従って適切な食生活が重要である。食事療法の基本は以下の通りである。
エネルギー制限と体重制限
  • 高コレステロール血症の人では体重が1kgの増えると総コレステロール値が20〜40mg/dl上昇し、逆に体重が減少すれば総コレステロール値や悪玉コレステロールが低下する。従って標準体重に近づくように適切な総エネルギー量(kcal)になるようにカロリー制限が必要である。
  • 以下に標準体重と総エネルギー量(kcal)の計算式を示します。
    標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22;例えば160cmの人では1.6×1.6×22=56.3kg
    適切な総エネルギー量(kcal)は標準体重と生活活動の強度から計算される
    すなわち総エネルギー量(kcal)=標準体重(kg) × 生活活動強度指数(kcal)
    生活活動強度指数:
     *軽労働(主婦・デスクワーク):25〜30 kcal
     *中労働(製造・販売業・飲食店):30〜35 kcal
     *重労働(建築業・農業・漁業):35〜40 kcal
    例えば標準体重が60kgで主にデスクワークの人の適切な総エネルギー量は1500〜1800kcalとなる。
    ただし肥満があれば目標値を低めに設定する必要がある。
脂肪制限
  • わが国では総エネルギー摂取量における脂肪の割合は年々増加し、この30年間で20%未満から27%に増加し、特に若い年代で増加が顕著である。心筋梗塞の増加が危惧され、脂肪摂取量は25%以下に抑制する。
    さらに、飽和脂肪酸(主に獣肉類の脂肪)と不飽和脂肪酸(主に植物性脂肪や魚の脂肪)の摂取比率を1:1.5〜2の割合にするように心がける。魚に含まれるイコサペント酸(EPA)やドコサヘキサエン酸はコレステロールや中性脂肪を下げ、血液をさらさらにする作用があることから、魚料理が勧められている。
食物繊維の摂取
  • さといも、かぼちゃ、大豆製品、ネーブルやいちご、しいたけなどのきのこ類やひじき、寒天などの海藻などは繊維を多く含み、脂肪の吸収を抑制し、コレステロールを低ささせるので積極的に摂取する。
抗酸化作用のある食品の摂取
  • ビタミンE(かぼちゃ、ほうれんそう、たらこ、緑茶、植物油、ナッツ、果物)、ビタミンC(野菜、果物など)、βカロチン(青のりなどの海藻、黄緑野菜、玉露、にんじんなど)やフラボノイド(果物:りんごなど、野菜:たまねぎなど、緑茶などの茶類、赤ワイン、大豆など)をしっかり摂取する。これらは悪玉コレステロールが動脈壁に入り込み、酸化されて動脈硬化を来たすのを防ぐ。
高コレステロールの人
  • コレステロール摂取量を1日300mg以下にし、コレステロールを多く含む食品を控える。肉の脂身や霜降り肉、バター、生クリームやアイスクリームは、コレステロール値を上げやすいのでとり過ぎに注意。鶏卵1個のコレステロールは約250mgであるので1日1個が限度である。
中性脂肪が高い人
  • 砂糖、菓子類や果物などの糖分摂取を制限し、アルコールも1日に日本酒にして1合程度、ビ−ルなら中びん1本、ウイスキ−はダブルで1杯、赤ワイングラス2杯程度に制限する必要がある

7) 高脂血症の運動療法

 運動療法:ゆったりしたペースで無理なく行う運動でも降圧効果が認められている。ウオーキング、ジョギング、水中歩行などの少し汗ばむ程度の有酸素運動が勧められている。可能ならば1日30分以上週3〜4回以上行うことが望ましい。ただし、心臓病や血圧の高い人は主治医と相談してからはじめてください。

8)高脂血症の薬物療法

分類 LD
L
-C
HD
L
-C
T
G
効果 薬品名
スタチン 肝臓でのLDL-
Cの合成抑制
、クレストール
ブロブコール コレステロールの酸化予防 シンレスタール
陰イオン交換樹脂 コレステロール吸収抑制と胆汁酸排泄 コレバイン
フィブラート系 中性脂肪の合成抑制 ベザトールSR
ニコチン酸 脂肪酸のTG化予防 ユベラN
イコサペ 血小板機能抑制 エパデール
阻害薬 コレステロールの吸収阻害 ゼチーア
※ LDL-C:LDLコレステロール、HDL-C:HDLコレステロール;TG:中性脂肪、
※スタチン:HMG-Co還元酵素阻害薬、ニコチン酸:ニコチン酸誘導体、イコサペ:イコサペント酸エチル、阻害薬:小腸コレステロールトランスポーター阻害薬

9) 高脂血症のお勧めサイト

  1. 日本心臓財団「動脈硬化性疾患予防ガイドライン・エッセンス」に脂質異常症(高脂血症)を簡潔に説明している。
  2. 国立循環器病センターの「高脂血症ー動脈硬化への道」は一般向けの解説が掲載されている。


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