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心不全|板橋区赤塚新町・練馬区田柄対応の内科・循環器科専門医|光が丘クリニック



TEL.03-5968-3030
〒175−0093 東京都板橋区赤塚新町3-32-12-204

心不全heart failure

心不全とは?

心不全は、心臓が全身に必要な血液を十分に送り出せなくなる状態です。心臓のポンプ機能が低下することで、体の各組織が必要とする酸素や栄養を十分に受け取れず、さまざまな症状が現れます。心不全は急性(突然発症)と慢性(時間をかけて進行)に分けられ、原因や進行度に応じて異なる治療が必要です。

心不全の主な症状

  • 呼吸困難: 特に横になると息が苦しくなり、夜間に症状が悪化することがあります。
  • 倦怠感: 血液が十分に循環しないため、体全体が疲れやすくなります。
  • むくみ(浮腫): 足や腹部に液体がたまり、腫れることがあります。
  • 頻脈や不整脈: 心臓が通常より速く、または不規則に動くことがあります。

心不全の原因

心不全の原因にはいくつかの主要な要因があります。

原因 説明
高血圧 長期間の高血圧は、心臓の負担を増大させ、ポンプ機能を弱めます。
冠動脈疾患 心臓に酸素を供給する血管が詰まり、心筋がダメージを受けることで心不全を引き起こします。
心筋症 心筋が弱くなり、心臓が血液を送り出す力が低下します。
糖尿病 糖尿病は心不全リスクを高め、血管や心臓に負担をかけます。

心不全の分類

心不全は、心臓のポンプ機能の違いに基づいて以下の2つのタイプに分類されます。

分類 定義 特徴 治療方針
HFrEF 左心室駆出率が40%未満 心臓の収縮力が低下し、血液を十分に送り出せない 薬物療法(ACE阻害薬、ARB、β遮断薬、利尿薬など)
HFpEF 左心室駆出率が50%以上 心臓の拡張機能が低下し、血液をうまく受け取れない 血圧管理、生活習慣改善、利尿薬の使用など

ニューヨーク心臓協会(NYHA)分類

心不全の重症度を評価する際に、身体活動に対する症状の程度に基づくNYHA分類が使用されます。

クラス 定義
I度 身体活動に制限がなく、通常の活動で症状が出ない 通常の活動で息切れや疲労感なし
II度 通常の活動で軽い症状が出るが、安静時は問題ない 階段の昇降や歩行で息切れ
III度 軽度の活動でも症状が出て、活動が大幅に制限される 散歩や軽い家事でも息切れが出る
IV度 安静時でも症状があり、ほとんどの活動が困難 安静時でも呼吸困難や疲労感あり

心不全の病期と治療方針

心不全の進行は、ACCF/AHA病期分類に基づいて以下のように段階化され、各段階で治療方針が異なります。

病期 定義 治療方針
ステージA 心不全のリスクがあるが、まだ症状がない状態 生活習慣改善(塩分制限、運動)、高血圧や糖尿病の管理
ステージB 心臓に異常があるが、症状がない状態 ACE阻害薬、β遮断薬などの予防的な薬物療法
ステージC 症状が現れている状態 利尿薬、ACE阻害薬、デバイス療法(ペースメーカーなど)
ステージD 重度の症状で、治療が困難な状態 心臓移植、左心補助人工心臓(LVAD)などの高度治療

ファンタスティック4(Fantastic Four)

ファンタスティック4とは、心不全治療において非常に効果的な4つの薬物を指します。

薬物 効果
ACE阻害薬 血圧を下げ、心臓への負担を軽減
β遮断薬 心拍数を抑え、心臓を保護
MR拮抗薬 利尿作用を持ち、体内の水分を排出し心臓の負担を減らす
SGLT2阻害薬 糖尿病治療薬として開発されたが、心不全の治療にも有効とされている

心不全の診断方法

心不全の診断には、いくつかの検査が使用されます。これらの検査は、心不全の種類や重症度を把握するのに役立ちます。

診断方法 説明
血液検査 心臓機能を示すバイオマーカー(BNP、NT-proBNP)を測定し、異常を特定
心エコー検査 心臓の形状やポンプ機能を超音波で確認する
胸部X線検査 肺や心臓の大きさ、液体の溜まり具合を確認
心電図(ECG) 心臓の電気的な活動を記録し、異常なリズムや負荷を検出

心不全の治療方法

心不全は完治が難しいですが、治療により症状を管理し、生活の質を向上させることが可能です。

治療方法 説明
薬物療法 ACE阻害薬、β遮断薬、利尿薬などで心臓の負担を軽減します
生活習慣の改善 塩分の制限、適度な運動、禁煙、アルコール制限などが重要です
デバイス療法 重症の場合、心臓ペースメーカーやICD(植込み型除細動器)が使用されます

よくある質問(FAQ)

1. 心不全は治りますか?

心不全は完治が難しいですが、適切な治療により症状を軽減し、進行を遅らせることが可能です。早期診断と治療が重要です。

2. どのような生活習慣が心不全を悪化させますか?

塩分の摂り過ぎ、喫煙、過度のアルコール摂取、肥満、運動不足は心不全を悪化させます。健康的な食事や定期的な運動が推奨されます。

3. 心不全患者に適した運動は何ですか?

軽いウォーキングやストレッチなどの有酸素運動が良いとされていますが、医師の指示に従うことが重要です。

4. 心不全と診断されたらすぐに治療を始めるべきですか?

はい、心不全は進行する病気なので、早期に治療を開始することが大切です。医師の指示に従って治療を進めてください。

5. 心不全に良い食事は?

塩分を減らし、野菜や果物を中心にしたバランスの取れた食事が推奨されます。飽和脂肪酸やトランス脂肪酸を避けることも大切です。

参考資料とガイドライン

信頼できる情報源を参考にして、医師と相談しながら治療方針を立てることが大切です。


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