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狭心症|板橋区|練馬区|循環器科|専門医|光が丘クリニック

TEL 03-5968-3030
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循環器科:狭心症の解説 (詳細)

狭心症:目次

     
  1. はじめに
  2. 狭心症の症状と診断
  3. 狭心症の予防
  4. 狭心症の治療
  5. 微小血管狭心症
  6. 狭心症のお勧めサイト

1)はじめに

 心臓は絶えず拍動していますが、その酸素エネルギ−は心表面の冠動脈からの血液で供給されている。しかし何らかの原因で心筋酸素の需要量が供給量を超えたとき、心筋虚血が起こり、胸痛・胸部圧迫感などの狭心症が出現する。
 狭心症は、労作時に起きる労作時狭心症と安静時に起きる安静時狭心症の二つに大きく分かれる。典型的な労作時狭心症は駅の階段を上るときや重いものを持ったとき出現し、安静時狭心症では早朝睡眠時などの安静時に胸痛に起きる。いずれもしばらく安静にしたり、ニトログリセリンを舌下すると2〜3分以内に症状が消失する。労作時狭心症は動脈硬化による冠動脈の狭窄、安静時狭心症は冠動脈の痙攣が原因である。
 これらの分類は、冠動脈造影で評価できる太い表在冠動脈の狭窄と攣縮の有無で判別されてきた概念である。実臨床では、典型的な狭心症状を有しても、冠動脈造影上有意な狭窄を認めない症例が4割存在すると報告されている。冠動脈の攣縮が誘発されない冠微小血管狭心症が新たな病態として最近注目されている。
 2)~4)は従来からの太い表在冠動脈血管の狭心症を説明し、5)は微小血管狭心症について解説する。

2)狭心症の症状と診断

 典型的な狭心症の症状は正中部から左胸部にかけての痛み、圧迫感、締めつけ感、焼きつけられる感じなどが出現し、左腕の痺れが伴うこともある。一方、咽喉から歯ぐきの痛み、息切れ、腹痛などの症状、またはほとんど無症状(無症候性心筋虚血)で発症することがある。
 狭心発作は通常3〜5分、長くても15分以内である。「労作性狭心症」の場合は一定の労作(例えば駅の階段を上る、重いものを持ったとき)により出現し、「冠れん縮性狭心症」の場合では早朝、デスクワーク中、飲酒・喫煙時などの安静時に出現ことが多い。いずれもニトログリセリンの舌下で速やか(2〜3分)に症状が消失する。
 狭心症の診断には、狭心発作の状況・ニトログリセリンの効果、運動負荷心電図、ホルター心電図検査の所見などから総合的に判断される。確定診断・治療のために心臓カテーテル検査をすることもある

3)狭心症の予防

 冠動脈狭窄を伴っている狭心症では、生活習慣を改善し、冠動脈の動脈硬化の進行を防ぐことが重要である。冠動脈の動脈硬化は多彩な因子が影響している。これを冠危険因子と呼ばれている。このなかで3大冠危険因子と呼ばれている高コレステロール血症、高血圧、喫煙は特に重要であり、積極的に生活習慣を改善し、回避するべきである。糖尿病、肥満、ストレス、攻撃的な性格も冠危険因子と挙げられている。可能な限りし改善すべきである。一方、回避不可能な因子として遺伝と加齢がある。

4)−1狭心症の治療 :薬物療法

発作時の頓服薬 即効性硝酸薬 即効的に冠動脈を拡張し、心臓の負担を軽減して発作を止める。ニトログリセリン、ニトロペンなど
発作予防薬 持続性硝酸薬 長時間冠動脈を拡張し、心臓の負担を軽減する
Ca拮抗薬 冠動脈を拡げて血流を増やし、冠動脈の痙攣を予防する。さらに血圧を下げ、心臓の負担を軽減する。ノルバスク、アダラート、セパミット、ヘルベッサーなど
β遮断薬 心臓の働きを抑え酸素需要を減らす。インデラル、テノーミンなど
Kチャンネル開口薬 虚血への心筋の抵抗力を高める。シグマートなど
その他 ACE阻害薬・A-II受容体拮抗薬 筋梗塞の発生予防と梗塞発症後の心不全の予防と死亡率の軽減に有用。カプトリル、レニベース、タナトリル、ブロプレス、ディオバンなど
脂質異常症薬 動脈硬化の進行を抑制し、動脈硬化病巣(プラーク)を安定化させ血管事故を予防(スタチン系薬剤)。メバロチン、リポバス、リピトール、クレストール、ベサトールSRなど
抗血小板薬 冠動脈の血栓の形成を予防。クロピドグレル、プラスグレルバイアスピリン、パナルジン

4)−2 狭心症の治療 :冠動脈再建術

 冠動脈インターベンション  わが国では冠動脈インターベンションの8割前後はステントを移植している。近年、テントの表面に細胞増殖を抑える薬剤が塗布した「薬剤溶出ステント」が使用され、再狭窄率が著しく低下した。ただし、留置したステントに血栓が付着しないように抗血小板薬を長期間服用しなければならない。
 冠動脈バイパス手術  全身麻酔下で狭くなった冠状動脈の先に新しい血管をつなげ、血液をスムースに流す手術です。 大腿部からとった静脈でつなぐか、他の動脈を使って、大動脈から直接、狭窄部分の下流にバイパスをする。冠動脈インターベンションに比べて、入院期間が長く、身体への負担が大きいが、再狭窄の心配が少なく、効果が長続きする。

5)微小血管狭心症

 500μm以下の冠微小血管の器質的・機能的異常による心筋血流と酸素需要の不均衡により心筋虚血を生じる病態である。発症機序はまだ解明されていないが、冠微小血管の拡張の低下、心室壁内における不均一な血管拡張による盗血現象などが考えられ、喫煙、寒冷、精神的ストレスが誘因となり、女性ホルモンの関与は確実のようです。
 臨床像として@閉経前後の女性に多く、A胸痛の性状・心電図ST下降が通常の狭心症と同様で、B労作時・安静時に胸痛が起こり、C胸痛が10分以上持続することもまれではなく、D半数は即効性硝酸約は無効であり、E吐き気、みぞおちの痛み、背部痛、動悸などの非典型的な症状も多く、持続時間が数分から数時間及ぶこともある。
 確定診断するには、入院して心臓カテーテル検査が必須であります。冠動脈収縮能の亢進(アセチルコリン負荷による冠攣縮誘発テスト)と、冠動脈拡張反応の低下(特殊なワイヤーを直接冠動脈内に挿入し、冠血流予備能CFRの低下や微小血管抵抗IMRの上昇)を調べます。詳細は日本冠微小循環障害研究会のホームページを参照してください。
 治療として硝酸薬が無効であることが多く、β遮断薬やカルシウム拮抗薬が有効とされている。さらに、生活習慣の改善、スタチンやACE阻害薬などの酸化ストレス改善、抗炎症、内皮細胞改善を有する薬剤の併用も重要である。
 当院受診希望の場合は、まず狭心症の可能性について簡単な検査を行います。微小血管狭心症を否定できず、かつ確定診断を希望の方には、対応可能な都内の施設を紹介します。遠方の方は、かかりつけ医から直接検査可能な施設に紹介受診するようにお勧めします。

6)狭心症のお勧めサイト

  1. 日本心臓財団の「狭心症とは」は一般向けに詳しい解説が記載されている。      

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